故人の口座は凍結される?
銀行口座はすぐに凍結されるのか?
- 連絡しなければ凍結されない
銀行に連絡をしない限り、すぐに凍結されることはありません。 - 連絡した場合
基本的に連絡後7~10日間で口座が凍結されます。 - 相続争いがある場合
遺産分割協議書が作成できない場合、凍結解除は難しくなります。
相談が多いケース
実際、このような相談は非常に多いです。
- 役所から銀行への連絡はない
死亡診断書を役所に提出しても、役所や年金事務所から銀行への連絡は行きません。
凍結された口座からお金を引き出す方法
預貯金仮払い制度とは?
2019年7月の民法改正により、他の相続人の同意がなくても凍結された口座から一定額を引き出せるようになりました。この制度は「預貯金仮払い制度」と呼ばれます。
- 制度の背景
それまでは、口座凍結後にお金を引き出すには、相続人全員の同意を証明する書類が必要で、非常に手続きが煩雑でした。この制度によって、比較的手続きが簡略化されました。
引き出せる金額
引き出せる金額は、以下のどちらか**「金額が低い方」**です。
- 死亡時の預貯金 × 申請する人の法定相続分 × 3分の1
- 150万円
- 例1
亡くなった方の配偶者が申請(故人の両親は他界)、死亡時の預貯金が1200万円の場合:- 法定相続分2分の1:600万円
- 3分の1:200万円
- 150万円が上限となります。
- 例2
同じケースで死亡時の預貯金が300万円の場合:- 法定相続分2分の1:150万円
- 3分の1:50万円
- 50万円が上限となります。
金融機関ごとの計算
上限額は金融機関ごとに適用されます。
- 仮に3つの口座があり、それぞれの上限が150万円の場合、合計で450万円引き出せることになります。
さいごに
申請方法は金融機関によって異なるため、事前に窓口に問い合わせることをおすすめします。